清水の舞台からどんぶらこ

俳句や短歌などを月刊ペースで

老女たち

 猫と猫のマネキンと猫の恋

 

アンデルセン童話の中の天国の話ばかりをする老女たち

 

うららかやうすむらさきのドラッカー

 

少年の去ってゆくたび老人は神話を読んでいって眠って

 

誰になろうか大人になればラムネ壜

 

点滅をしてる信号機の裏のはがれかけてるポスターの香

 

ひたひたとシャツ絞りつつ春の雨

 

雨降って去ってどこへと行こうかと旅人たちのかつての声が

 

春雨や始発電車の色は白

 

ねんねんころりころりよねんねんころりよと眠れ遺跡も悲しみさえも